Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
酒井忠実は月番老中大久保加賀守忠真と三奉行とに届済の上で、二月二十六日附を以て、宇平、りよ、九郎右衛門の三人に宛てた、大目附連署の証文を渡して、敵討を許した。「早々本意を達し可立帰、若又敵人死候はば、慥なる証拠を以可申立」と云う沙汰である。三人には手当が出る。留守へは扶持が下がる。りよはお許は出ても、敵を捜しには旅立たぬことになって見れば、これで未亡人とりよとの、江戸での居所さえ極めて置けば、九郎右衛門、宇平の二人は出立することが出来るのである。
りよは小笠原邸の原田夫婦が一先引き取ることになった。病身な未亡人は願済の上で、里方桜井須磨右衛門の家で保養することになった。
さていよいよ九郎右衛門、宇平の二人が門出をしようとしたが、二人共敵の顔を識らない。人相書だけをたよりにするのは、いかにも心細いので、口入宿の富士屋や、請宿の若狭屋へ往って、色々問い質したが、これと云う事実も聞き出されない。それに容貌が分からぬばかりでなく、生国も紀州だとは云っているが、確としたことは分からぬらしい。只酒井家に奉公する前には、上州高崎にいたことがあると云うだけである。