Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
敵にはどこで出逢うか、何年立って出逢うか、まるで当がないのだ。己と宇平とは只それを捜しに行くのだ。見附かってからお前に知らせれば好いじゃないか」
「仰ゃる通、どこでお逢になるか知れませんのに、きっと江戸へお知らせになることが出来ましょうか。それに江戸から参るのを、きっとお待になることが出来ましょうか」罪のないような、狡猾らしいような、くりくりした目で、微笑を帯びて、叔父の顔をじっと見た。
叔父は少からず狼狽した。「なる程。それは時と場合とに依る事で、わしもきっととは云い兼ねる。出来る事なら、どうにでもしてお前をその場へ呼んで遣るのだ。万一間に合わぬ事があったら、それはお前が女に生れた不肖だと、諦めてくれるより外ない」
「それ御覧遊ばせ。わたくしはどうしてもその万一の事のないようにいたしとうございます。女は連れて行かれぬと仰ゃるなら、わたくしは尼になって参ります」
「まあ、そう云うな。尼も女じゃからのう」
りよは涙を縫物の上に落して、黙っている。叔父は一面詞を尽して慰めたが、一面女は連れて行かぬと、きっぱり言い渡した。りよは涙を拭いて、縫いさした脚絆をそっと側にあった風呂敷包の中にしまった。