Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
大阪で九郎右衛門が受け取ったのは、桜井から亀蔵の江戸にいることを知らせて遣った手紙である。
文吉はすぐに玉造へお礼参に往った。九郎右衛門は文吉の帰るのを待って、手分をして大阪の出口々々を廻って見た。宇平の行方を街道の駕籠の立場、港の船問屋に就いて尋ねたのである。しかしそれは皆徒労であった。
九郎右衛門は是非なく甥の事を思い棄てて、江戸へ立つ支度をした。路銀は使い果しても、用心金と衣類腰の物とには手は着けない。九郎右衛門は花色木綿の単物に茶小倉の帯を締め、紺麻絣の野羽織を着て、両刀を手挟んだ。持物は鳶色ごろふくの懐中物、鼠木綿の鼻紙袋、十手早縄である。文吉も取って置いた花色の単物に御納戸小倉の帯を締めて、十手早縄を懐中した。
木賃宿の主人には礼金を遣り、摂津国屋へは挨拶に立ち寄って、九郎右衛門主従は六月二十八日の夜船で、伏見から津へ渡った。三十日に大暴風で阪の下に半日留められた外は、道中なんの障もなく、二人は七月十一日の夜品川に着いた。
十二日寅の刻に、二人は品川の宿を出て、浅草の遍立寺に往って、草鞋のままで三右衛門の墓に参った。それから住持に面会して、一夜旅の疲を休めた。