Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
翌十三日は盂蘭盆会で、親戚のものが墓参に来る日である。九郎右衛門は住持に、自分達の来たのを知らせてくれるなと口止をして、自分と文吉とは庫裡に隠れていた。住持はなぜかと問うたが、九郎右衛門は只「謀は密なるをとうとぶと申しますからな」と云ったきり、外の話にまぎらした。墓参に来たのは原田、桜井の女房達で、厳しい武家奉公をしている未亡人やりよは来なかった。
戌の下刻になった時、九郎右衛門は文吉に言った。「さあ、これから捜しに出るのだ。見附けるまでは足を摺粉木にして歩くぞ」
遍立寺を旅支度のままで出た二人は、先ず浅草の観音をさして往った。雷門近くなった時、九郎右衛門が文吉に言った。「どうも坊主にはなっておらぬらしいが、どんな風体でいても見逃がすなよ。だがどうせ立派な形はしていないのだ」
境内を廻って、観音を拝んで、見識人を桜井に逢わせて貰った礼を言った。それから蔵前を両国へ出た。きょうは蒸暑いのに、花火があるので、涼旁見物に出た人が押し合っている。提灯に火を附ける頃、二人は茶店で暫く休んで、汗が少し乾くと、又歩き出した。
川も見えず、船も見えない。玉や鍵やと叫ぶ時、群集が項を反らして、群集の上の花火を見る。