Japanische Klassiker mit Furigana
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たかせぶね
山椒大夫・高瀬舟他四篇
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟他四篇 (たかせぶね) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.395 Zeichen · 40 Bildschirme
」
いちは起きて、手習いの清書をする半紙に、平がなで願書を書いた。父の命を助けて、その代わりに自分と妹のまつ、とく、弟の初五郎をおしおきにしていただきたい、実子でない長太郎だけはお許しくださるようにというだけの事ではあるが、どう書きつづっていいかわからぬので、幾度も書きそこなって、清書のためにもらってあった白紙が残り少なになった。しかしとうとう一番鶏の鳴くころに願書ができた。
願書を書いているうちに、まつが寝入ったので、いちは小声で呼び起こして、床のわきに畳んであったふだん着に着かえさせた。そして自分もしたくをした。
女房と初五郎とは知らずに寝ていたが、長太郎が目をさまして、「ねえさん、もう夜が明けたの」と言った。
いちは長太郎の床のそばへ行ってささやいた。「まだ早いから、お前は寝ておいで。ねえさんたちは、おとっさんのだいじな御用で、そっと行って来る所があるのだからね。」
「そんならおいらもゆく」と言って、長太郎はむっくり起き上がった。
いちは言った。「じゃあ、お起き、着物を着せてあげよう。長さんは小さくても男だから、いっしょに行ってくれれば、そのほうがいいのよ」