Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
話しながら通りかかっていた二人づれがあった。左右から手を伸ばして、お高をささえてくれた。
「ほう。お前は、さっきの若松屋の人ではないか。こんなところを駈けまわって、何をしているのです」
龍造寺主計が、面白そうにいった。ひとりは、龍造寺主計で、もう一人は、一空和尚であった。一空和尚は、まるい顔に、仕つけ糸のような細い眼を笑わせていた。でっぷりしたからだを、つんつるてんの衣で包んでる。
いつも若者のように元気な老僧だ。まっ赤な顔をして、笑ってばかりいるのだ。馬鹿みたいだが、たいへんに悟りをひらいた坊さまだということだ。ころもの袖をほらほらとゆすぶって、大きな口を空へむけて、笑った。
「兎狩りでも思いつかれたかな」
そして、手をあげて、すこし離れた箇所を指さした。そこには、風雨にさらされて字の読めなくなった禁札が建っていた。御門内にてとんぼ獲ることならんぞよ、と大きく書かれてあった。
「あれは蜻蛉じゃが」と、和尚はさとすようにいった。「兎もとれまい。兎はおらんから。おれば、わしがとらえて、兎汁にするが」
龍造寺主計は、一空和尚のところへ来る学童のために金をおさめたのち、山門まで和尚に送られて、出るところであった。