Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
娘さんは、親娘三人づれで上方の旅へ出かけるとき、ほんの赤児でごぜえましたから、いま成人していらっしゃれば、顔を見てもわかるわけはねえのですが、なに、あの古石場にいなすった娘さんなら、大違いですよ。父御さんがおゆうさまの良人と同じ名だっただけで、別人なのですよ。わっしどもが世話に立っている柘植の家とは、何のかかわりもねえのですよ」
これで、お高が父として死に水まで取った相良寛十郎が、ほんとのおゆうの良人の相良寛十郎でないことだけは、一空さまの思ったとおり、ますます事実に相違なかったが、この木場の甚は、そのために、そうして、永年さがしてきたほんもののお高に会ってことばまでかわしながら、頭から別人と思いこんで、そのまま放してやって、いまだに、預かっている財産を渡すために、お高の現われるのを待っているのだ。
世の中というものはこうして、ちょっとのことで、こうもくいちがうものであろうかと、一空さまは、実に不思議な相を見せられた気がした。
四
そのとき、木場の甚が、お高の姓が柘植であることを知りさえすれば、何の問題もなく、おゆうの財産はそっくりとうにお高の手へ移っていたのだ。