Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

確かに雪江さんだ。部屋の前を通越して台所へ行くか、それとも万一障子が開くかと、成行を待つ間の一分に心の臓を縮めていると、驚破、障子がガタガタと……開きかけて、グッと支えたのを其儘にして、雪江さんが隙間から覗込みながら、

「勉強?」

と一寸首を傾げた。これが何を聞く時でも雪江さんの為る癖で、看慣れては居るけれど、私は常も可愛らしいと思う。不断着だけれど、荒い縞の着物に飛白の羽織を着て、華美な帯を締めて、障子に掴まって斜に立った姿も何となく目に留まる。

ああ求むる者に与えられたのだ。神よ……といいたいような気になって、無論莞爾々々となって、

「いいえ……まあ、お入ンなさい。」

「じゃ、私話して入くわ。奥は一人で淋しいから。」

珍客々々! 之を優待せん法はない。よ、よ、と雪江さんが掛声をして障子を明けようとするけれど、開かないのを、私は飛んで行って力任せにウンと引開けた。何だか領元からぞくぞくする程嬉しい。

生憎と火鉢は私の部屋には無かったけれど、今迄敷いていた赤ゲットを、四ツに畳んだのを中央へ持出して、其でも裏反しにして勧めると、遠慮するのか、それとも小汚いと思ったのか、敷いて呉れないから、私は黙って部屋を飛出した。