Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

Lesen Sie 思い出す事など (おもいだすことなど) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.003 Zeichen · 113 Bildschirme

Aozora Bunko

四

二人に謝すべき余はただ一人生き残っている。

菊の雨われに閑ある病哉

菊の色縁に未し此晨

(ジェームス教授の哲学思想が、文学の方面より見て、どう面白いかここに詳説する余地がないのは余の遺憾とするところである。また教授の深く推賞したベルグソンの著書のうち第一巻は昨今ようやく英訳になってゾンネンシャインから出版された。その標題は Time and Free Will(時と自由意思)と名づけてある。著者の立場は無論故教授と同じく反理知派である。)

四

病の重かった時は、固よりその日その日に生きていた。そうしてその日その日に変って行った。自分にもわが心の水のように流れ去る様がよく分った。自白すれば雲と同じくかつ去りかつ来るわが脳裡の現象は、極めて平凡なものであった。それも自覚していた。生涯に一度か二度の大患に相応するほどの深さも厚さもない経験を、恥とも思わず無邪気に重ねつつ移って行くうちに、それでも他日の参考に日ごとの心を日ごとに書いておく事ができたならと思い出した。その時の余は無論手が利かなかった。しかも日は容易に暮れ容易に明けた。そうして余の頭を掠めて去る心の波紋は、随って起るかと思えば随って消えてしまった。