Japanische Klassiker mit Furigana
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おもいだすことなど
思い出す事など
Lesen Sie 思い出す事など (おもいだすことなど) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.003 Zeichen · 113 Bildschirme
二十四
そうしてこの感情が遠からず単に一片の記憶と変化してしまいそうなのを切に恐れている。――好意の干乾びた社会に存在する自分をはなはだぎごちなく感ずるからである。
天下自多事。 被吹天下風。 高秋悲鬢白。
衰病夢顔紅。 送鳥天無尽。 看雲道不窮。
残存吾骨貴。 慎勿妄磨※。
二十四
小供のとき家に五六十幅の画があった。ある時は床の間の前で、ある時は蔵の中で、またある時は虫干の折に、余は交る交るそれを見た。そうして懸物の前に独り蹲踞まって、黙然と時を過すのを楽とした。今でも玩具箱を引繰り返したように色彩の乱調な芝居を見るよりも、自分の気に入った画に対している方が遥かに心持が好い。
画のうちでは彩色を使った南画が一番面白かった。惜しい事に余の家の蔵幅にはその南画が少なかった。子供の事だから画の巧拙などは無論分ろうはずはなかった。好き嫌いと云ったところで、構図の上に自分の気に入った天然の色と形が表われていればそれで嬉しかったのである。
鑑識上の修養を積む機会をもたなかった余の趣味は、その後別段に新らしい変化を受けないで生長した。したがって山水によって画を愛するの弊はあったろうが、名前によって画を論ずるの譏りも犯さずにすんだ。