Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Lesen Sie 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.840 Zeichen · 88 Bildschirme

Aozora Bunko

こう云い云い、ひどくむぞうさにはいって来て、箱をそこへ置いて坐り、みね女に向ってくすくす笑いながら、「とんだ失敗をしましてね、凧が樹にひっ掛ったものですから、屋根へあがって取っていたんですよ、糸がひっ絡まってなかなか取れやしません、それに久しく手入れをしないんですね、瓦が緩んじゃってて、ちょいとするとずっこけるんです、そこへおじ上が帰って来られまして、私は吃驚して、おじ上とはよもや知りゃあしません、とっさのばあいですから危ないぞッてどなったんですよ、どうも済みません、でもその代りおじ上は頭を破らずに済んだんですが、もし私のどなるのがもうちょっと遅かったら」

「うるさい、黙れうるさい」

右衛門が根をきらせて叫んだ。とたんに泰三はそこへ両手をつき、右衛門の先手へまわって初対面の挨拶を始めた。それが間髪を容れぬすばやさで、剣術関係の術語でいうところの「燕返し」といったような呼吸であった。

「右のようなしだいで、御上意とは申しながら、兄ともども私まで御迷惑をおかけ申すということはまことにあれでございまして……それにつきなにか手土産をと思い、多少は勘考したわけですが、田舎へは浅草海苔とかき餅がなによりということで、それだけでは先方も物足らぬであろうと思ったものですからべつに花仙堂の栗饅頭を買いまして、これがそれを容れ