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Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Lesen Sie 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.840 Zeichen · 88 Bildschirme

Aozora Bunko

典木は食禄千二百石であった。かかる不始末をしたからには当然その家名はつぶれ、妻子にも咎めがある筈である。一般はそう思っていたが、殿さまはそうはしなかった。食禄を千石削り、妻と二人の子は沼田東兵衛という老職にお預け。こういう処置をとられたのである。……これについての解釈は種々あったが、代表的な説によると殿さまになにかひけめがあって、斎宮の所業はすべて忠義のためだったといわれる。それは妻子を沼田老職に預けるとき、殿さまから内密に、

――よくよくめをかけて遣わせ。

というお言葉があり、残った食禄とはべつに年々かなり多額な養育料が、御手許から出たということである。このとき殿さまは長門守知幸、現在の殿さまはその子の長門守知宣という人であるが、典木の遺族についてはなにか云い含められていたとみえ、泰助と泰三は早くから小姓にあげられ、ずいぶんなお気にいりだと伝えられている。……こういうところから、典木斎宮の切腹を忠死だとする説が出たらしい、だが真相のほどは現在のところまで不明というほかはない。ちなみに兄弟の母そで女は三年まえの冬、沼田老職の家で安らかに病死した。