Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Lesen Sie 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.840 Zeichen · 88 Bildschirme

Aozora Bunko

「もういちど云うがな、いいか、よけいなことは抜きにしろ、いいか、よけいなことは抜きにして要点だけ云え、要点だ、わかったか」

「はあわかりました、要点ですね、要点」泰三は脇へ向いて眉をしかめながら呟いた。

「ばかばかしい、人生が要点だけで成り立つと思ってるのかしら」

「なに、な、なに、今なんと云った」

「貴方が武士ならわかって下さると思うんです」泰三はみごとに切って返した、「――手紙の内容は知りませんが、ともかく手紙は手紙ですからな、まさか命にかかわるという切羽詰った問題ではないでしょう、ところがこっちはそうはいかないんです、その場でなんとかしなければ当人の立つ瀬がないんですから、それは実に見るに見かねたありさまなんで、貴方がもしごらんになったとしても」

「云え、云え、云え」右衛門は右手で拳骨を拵え、その拳骨で自分の眉間を押えながら叫んだ、「――なにがどうしたんだ、その原っぱでなにがあったんだ」

「こういうことは冷静に聞いて頂かないと話しにくいんですが、弱ったな、貴方がそんなに昂奮していらっしゃるとすると、いえ話します、べつに仰天するほどのことじゃないんですから、それで問題の原っぱなんですが、私が通りかかるとですね、子供が大勢で凧をあげていたんです、ええ凧です」