Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいきよんじゅうめんそう

怪奇四十面相/宇宙怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.581 Zeichen · 364 Bildschirme

Aozora Bunko

「この洞窟には、動物がいる。」これは黒井博士の声でした。

「いま、わしのからだに、ぶっつかったやつがある。サルのように立って歩く動物だ。人間とすれば、小人のような、小さなやつだ。」

「気のせいじゃありませんか。ここには、立って歩く動物なんか、いるはずがないんだが。」

松野さんの声です。黒井博士のすぐつぎにいたはずの松野さんの声が、ずっとうしろのほうから、聞こえてきました。さっきのカニのさわぎで、麻ひもを持つじゅんじょが、メチャメチャになってしまったのです。

「いや、ほんとうですよ、ぼくもそいつを見ました。サルのようなやつでした。」

八木さんの声です。かれは出発のときとはぎゃくに、黒井博士のうしろに、いるのでした。

ふたりが見たとすると、気のせいとはいえません。なにか、あやしいやつがいるのです。それが、ひょっとしたら、漁師の若者が見たという、化けものかもしれません。しかし、黒井博士も八木さんも、そいつのすがたを、ハッキリ見たわけではありません。黒い影のようなものが、前のほうから、とびだしてきて、博士のからだにぶっつかり、アッというまに、うしろのほうへ、走りさってしまったのです。