Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきよんじゅうめんそう
怪奇四十面相/宇宙怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.581 Zeichen · 364 Bildschirme
わしは、こんなおりの用意に、コーヒーを水筒に入れて、もってきたから、みんな、これをひと口ずつやりたまえ。」
黒井博士は、そう言って、大きな水筒を肩からはずし、コップをそえて、あとにいる人にわたしました。
みんなは、つかれてもいたし、のどもかわいていたので、そこに、腰をおろしてつぎつぎと、その水筒のコーヒーをのむのでした。そのコーヒーは、ひどくにがくて、ふだんなら、すこしもおいしくないのでしょうが、そんなおりですから、ひとびとは、よろこんで、のんだのです。
「みんな、のんだかね。」
黒井博士は、かえってきた水筒を、うけとりながら、たしかめるように、言いました。
「みんな、のみましたよ。じつにおいしかった。」
うしろにいた八木さんが答えました。しかし、あとになってわかったのですが、そのにがいコーヒーをのんだのは、六人のうち三人だけでした。そして、ふしぎなことに、水筒の持ちぬしの、黒井博士も、のまなかったうちの、ひとりだったのです。
みんなは、ひとやすみすると、また立ちあがって、歩きだしました。ときがたつにつれて、やみは、ふかくなるばかりでした。それに、空気は氷のようにつめたく、ふるえだすほどの、寒さでした。