Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきよんじゅうめんそう
怪奇四十面相/宇宙怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.581 Zeichen · 364 Bildschirme
」
北村さんが、ささやき声で、言いました。いかにも、背広のせなかに、まっくろな長いものが、くっついています。れいのコウモリのはねです。
それが、宇宙怪人とわかると、人々は、思わずあとじさりをしました。そして、いまにも、逃げだそうとしていたとき……、木の上の怪物のほうでも、大きく身うごきしました。コウモリのはねが、パッとひらいたのです。洋服の紳士に、はねがはえたのです。
地上の人々の口から「ワーッ。」という、恐怖の声がわきあがりました。怪物が、こちらへ、とびかかってくるように、思われたからです。
怪物は、サッと、木の枝をはなれると、大きなはねで、宙にうきました。人々は、もう一度、「ワーッ。」と、声をたてて、われさきにと逃げだしたのですが、怪物は、下へとびかかってくるのでなくて、空へ、まいあがったのです。
それに気がつくと、人々は、やっと、ふみとどまって、また、暗い空を見あげました。
ああ、なんという、ふしぎな光景だったでしょう。ソフトをかぶり、背広をきて、クツまではいた紳士が、大きな黒いはねで空を飛んでいるのです。人々は、なんだか、おそろしい夢を見ているような気がしました。