Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こいのでんしちろう
恋の伝七郎
山本 周五郎
Lesen Sie 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.650 Zeichen · 60 Bildschirme
「うんよく利いてる、うめえ」「香りは青じそに限るんだが、茗荷っきりねえんだからしようがねえ、まあ一つ」「まあおめえに遣ろう」「いいってことよ、重ねねえな、おらあ毎日やれるがお屋敷じゃそうもいくめえ、ここへ来たときくれえは遠慮ぬきにやってくんな」「だがいつもこっちは馳走になるばかりだからなあ」「よさねえか、友達の仲で馳走もくそもねえ、そんな他人ぎょうぎを云うと怒るぜ」「他人ぎょうぎじゃあねえ本当なんだ」伝七郎は注がれた酒を一くち舐めて置き、感慨に耽るような調子でこう云い出した、「おれは十万石の家中で中老を勤める者の子だ、痩せても枯れても侍のはしくれだ、いかに友達とはいいながら、汗水ながして稼ぐおまえのことを思えば、一杯の酒だって奢られる義理はないんだ、それはわかっているんだが、なあ忠さん、おれはここへ来るのがなにより楽しい、こうしておまえと二人で呑む酒が、おれにはなにより楽しいんだ、おまえには察しもつくまいが」と、彼は胸に溜った物を吐き出すように云った、「おれは自分の家にいても、朝から晩まで気楽に息をつくことさえできない