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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばしゃ

愛の挨拶・馬車・純粋小説論

横光 利一

Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

此の間道を伝っていつもあの村から父のところへ来る学者の娘も、幾度もここらあたりで、そんなことまでしなければならぬ人生の冷たい廻り合せに涙を流したことであろうと思われて、「あの学者の娘さんも、こういう所を毎日通わなければならぬというのも、何をしたためか分らないが気の毒なことですね。」と由良は云った。

「そうですとも、まったくあの娘さんは気の毒なんですよ。あれももとはといえば、あの親父がいけないのでさ。」

信者はそろそろ警戒を由良に解いてしまったものと見えて、それからまた学者のことや娘の身のうえ話をこまごまとし始めた。信者のいう所によると、学者の娘は名を古奈花江といって、資産家の学者古奈教授の長女であるが、あるとき足に腫物が出来て紫色に変色したため、教授は知人の医者に診断して貰いにつれていくと、癩病だとのことであった。それで教授は狼狽しながらもいろいろと考えたが、もうそうなれば他人には親戚といえども相談することは出来ないのだから、思い切って娘がまだ何も知らないのを良いことに、風景の良いところへ連れていってやると瞞しすかして、その夜のうちに自動車に花江を乗せ、この夢殿村までひといきに来てしまって、ほとんど監禁同様そのまま押し込めてしまった。