Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
かえって出入りさせるほうがいいわ」
玄関に送り出してそう葉子はいった。
「どうかなあいつ、古藤のやつは少し骨張り過ぎてる……が悪かったら元々だ……とにかくきょうおれのいないほうがよかろう」
そういって倉地は出て行った。葉子は張り出しになっている六畳の部屋をきれいに片づけて、火鉢の中に香をたきこめて、心静かに目論見をめぐらしながら古藤の来るのを待った。しばらく会わないうちに古藤はだいぶ手ごわくなっているようにも思えた。そこを自分の才力で丸めるのが時に取っての興味のようにも思えた。もし古藤を軟化すれば、木村との関係は今よりもつなぎがよくなる……。
三十分ほどたったころ一つ木の兵営から古藤は岡に伴われてやって来た。葉子は六畳にいて、貞世を取り次ぎに出した。
「貞世さんだね。大きくなったね」
まるで前の古藤の声とは思われぬようなおとなびた黒ずんだ声がして、がちゃがちゃと佩剣を取るらしい音も聞こえた。やがて岡の先に立って格好の悪いきたない黒の軍服を着た古藤が、皮類の腐ったような香いをぷんぷんさせながら葉子のいる所にはいって来た。
葉子は他意なく好意をこめた目つきで、少女のように晴れやかに驚きながら古藤を見た。