Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
愛しても愛し足りないような貞世につらく当たって、どうしても気の合わない愛子を虫を殺して大事にしてみたら、あるいは倉地の心が変わって来るかもしれないとそう葉子は何がなしに思うのだった。で、倉地と愛子との間にどんな奇怪な徴候を見つけ出そうとも、念にかけても葉子は愛子を責めまいと覚悟をしていた。
「愛さん古藤さんがね、大急ぎでこの縁を縫ってもらいたいとおっしゃるんだから、あなたして上げてちょうだいな。古藤さん、今下には倉地さんが来ていらっしゃるんですが、あなたはおきらいねおあいなさるのは……そう、じゃこちらでお話でもしますからどうぞ」
そういって古藤を妹たちの部屋の隣に案内した。古藤は時計を見い見いせわしそうにしていた。
「木村からたよりがありますか」
木村は葉子の良人ではなく自分の親友だといったようなふうで、古藤はもう木村君とはいわなかった。葉子はこの前古藤が来た時からそれと気づいていたが、きょうはことさらその心持ちが目立って聞こえた。葉子はたびたび来ると答えた。
「困っているようですね」
「えゝ、少しはね」
「少しどころじゃないようですよ僕の所に来る手紙によると。