Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
その間に英国の国旗が一本まじってながめられるのも開港場らしい風情を添えていた。
遠く海のほうを見ると税関の桟橋に繋われた四艘ほどの汽船の中に、葉子が乗って帰った絵島丸もまじっていた。まっさおに澄みわたった海に対してきょうの祭日を祝賀するために檣から檣にかけわたされた小旌がおもちゃのようにながめられた。
葉子は長い航海の始終を一場の夢のように思いやった。その長旅の間に、自分の一身に起こった大きな変化も自分の事のようではなかった。葉子は何がなしに希望に燃えた活々した心で手欄を離れた。部屋には小ざっぱりと身じたくをした女中が来て寝床をあげていた。一間半の大床の間に飾られた大花活けには、菊の花が一抱え分もいけられていて、空気が動くたびごとに仙人じみた香を漂わした。その香をかぐと、ともするとまだ外国にいるのではないかと思われるような旅心が一気にくだけて、自分はもう確かに日本の土の上にいるのだという事がしっかり思わされた。
「いいお日和ね。今夜あたりは忙しんでしょう」
と葉子は朝飯の膳に向かいながら女中にいってみた。
「はい今夜は御宴会が二つばかりございましてね。