Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

しかもそんなはめに貞世をおとしいれてしまったのは結局自分に責任の大部分があると思うと、葉子はいとしさ悲しさで胸も腸も裂けるようになった。貞世が死ぬにしても、せめては自分だけは貞世を愛し抜いて死なせたかった。貞世をかりにもいじめるとは……まるで天使のような心で自分を信じきり愛し抜いてくれた貞世をかりにも没義道に取り扱ったとは……葉子は自分ながら葉子の心の埒なさ恐ろしさに悔いても悔いても及ばない悔いを感じた。そこまで詮じつめて来ると、葉子には倉地もなかった。ただ命にかけても貞世を病気から救って、貞世が元通りにつやつやしい健康に帰った時、貞世を大事に大事に自分の胸にかき抱いてやって、

「貞ちゃんお前はよくこそなおってくれたね。ねえさんを恨まないでおくれ。ねえさんはもう今までの事をみんな後悔して、これからはあなたをいつまでもいつまでも後生大事にしてあげますからね」

としみじみと泣きながらいってやりたかった。ただそれだけの願いに固まってしまった。そうした心持ちになっていると、時間はただ矢のように飛んで過ぎた。死のほうへ貞世を連れて行く時間はただ矢のように飛んで過ぎると思えた。