Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
今夜はあなた方にわかるようにねえさんが話して上げてみるから、よく聞いてちょうだいよ」
倉地の胸に抱かれながら、酔いしれたようにその頑丈な、日に焼けた、男性的な顔を見やる葉子の、乙女というよりももっと子供らしい様子は、二人の妹を前に置いてきちんと居ずまいを正した葉子のどこにも見いだされなかった。その姿は三十前後の、充分分別のある、しっかりした一人の女性を思わせた。貞世もそういう時の姉に対する手心を心得ていて、葉子から離れてまじめにすわり直した。こんな時うっかりその威厳を冒すような事でもすると、貞世にでもだれにでも葉子は少しの容赦もしなかった。しかし見た所はいかにも慇懃に口を開いた。
「わたしが木村さんの所にお嫁に行くようになったのはよく知ってますね。米国に出かけるようになったのもそのためだったのだけれどもね、もともと木村さんは私のように一度先にお嫁入りした人をもらうような方ではなかったんだしするから、ほんとうはわたしどうしても心は進まなかったんですよ。でも約束だからちゃんと守って行くには行ったの。けれどもね先方に着いてみるとわたしのからだの具合がどうもよくなくって上陸はとてもできなかったからしかたなしにまた同じ船で帰るようになったの。