Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
「君、僕はやられたらしい。」と私に言った。
「肺かね。しかし君はからだが丈夫だから何んでもないよ。気のせいだ。」
「そうかなあ――。」
そして私どもはよくお玉さんのところへ出かけた。もう私はビールの味を知っていた。私どもにお玉さんを加えて、時時黙って永い間坐っていることがあった。そんなときは、きっと表がお玉さんと二人きりで話したいという心になっていることが、私にももう判るようになっていた。
そんなとき、私だけはさきにかえった。お玉さんは坂の上まで送って来たりした。
「またいらしてくださいましなね。」
「ありがとう。表はからだをわるくしているようだから、ビールをあまりすすめない方がいいね。」
「ええ。私もすこし変に思っていますの。時時厭な咳をなさいますもの。」
「だいじにしてお上げ。さよなら。」
「さよなら。」
そういう日は、表は黙って拝むような目を私にしていた。私はなぜだか表の弱弱しい一面が好きであった。あの大胆な女たらしのような男に、何ともいえない柔らかい微妙な優しさがあるのを私は恋に近い感情をもって接していた。私は晩など、お玉さんによく握られたらしい彼の手を強く握ったものであった。