Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
表はそんなとき不機嫌にしていた。そして午後三時ごろになると表はやけな調子で、
「もう三時だ。散歩の時間だ。かえろう君。」
表は嫉け気味な皮肉を言って出てゆくのであった。まだ十七になったばかりのお玉さんは、何か言いたいような可憐な寂しい目をして送っていた。表が此処でビールをのんでもいつもお玉さんが家の前をとりつくろうてくれて払わせなかった。
私はお玉さんが非常に表を愛していると思った。あのおどおどした目つきが、いつもの表の一挙一動ごとにはらはらしているさまが見えたからである。そしてああいう可憐な娘にはいつも非常に愛される質を彼はもっていた。やり放しのようで、それでいて、いつも深い計画のもとに働くのは表の巧みな、女にとり入る術であった。
ある日のこと、表の不在中、警察から高等刑事が来て、表の平常の生活を調べて行ったりした。そして巡査がやって来て、夜あまり外出させてはいけないと母親に言って行ったと、あとで表は笑いながら言っていた。けれども表はやはり縁日や公園へ行ってはお玉さんを誘い出したりして、永く夜露に打たれたり、更けて帰ったりしていた。
ある日、表をたずねると、彼はすこし蒼いむくんだような顔をしていた。