Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいていごじょうほう

改訂御定法

山本 周五郎

Lesen Sie 改訂御定法 (かいていごじょうほう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.422 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

「もの覚えがいいんでね」

「あなたこそ昔どおりよ、ほかの人にはやさしいのに、わたくしに向うと意地わるばかりなさる、直衛さまはしんから佳奈がお嫌いなんだって、小さいときから幾たび思ったかしれませんわ」

「それでも嫁には来る気になった」

「来いと仰しゃったのはあなたよ」

「礼を云うのがおくれたかな」

佳奈は直衛の顔をみつめ、どうしようもないというふうにかぶりを振った、「――どうしてあなたはそう、わたくしだけに意地わるを仰しゃるの」

「嫌いだから、だろうね」直衛は笑いもせずに盃をさしだした、「手が留守だよ」

これは春の終るころ、二人の縁談がまとまった二十日ほどのちのことであった。中所直衛も結婚した妻に死なれ、佳奈も磯村大助に嫁して二年、良人に死なれて実家へ戻っていた。佳奈の兄、河本宗兵衛が直衛と古くから親しいばかりでなく、両家は相互にしげしげと往来し、殆んど親族以上のつきあいを続けてきた。直衛と佳奈は周囲の人たちに、初めから結婚するものと思われていたが、当代の藩主になって御定法の改廃が行われたとき、直衛が頑強に反対し、そのため甲斐守教信に疎まれて、御代代実録という、藩史編纂の頭取に左遷された。