Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
都へ行って、世帯をもち、夫婦たのしく、暮すのさ」
「おや、三蔵、おまえひとりで、夢でもみるの」
「じょうだんじゃねえ。小野の里を逃げ出した晩から、ちゃんと、約束を交わしたろ」
「めっそうもない。おまえのような野良息子と、たれが夫婦のちかいなどするものですか。――都へ出たいのは、かねがね、私の望みではあるけれど、そんな目的で、云ったのではない。おまえは、路銀もたくさん持っているというし、途々の用心にも、おまえがいれば、何かにつけ都合がよいから、一しょに家を出たまでのこと」
「な、なに」
三蔵は、けんまくを変え、
「じゃあ何か、於通、てめえはおれを、だしに使っただけだというのか」
「なんです、その容子は。おまえは、わたくしの乳母の子ですよ」
「乳母の子が、どうしたっていうんだ。やい、おれを、あまく見るなよ」
「主すじの姫へむかって、いわしておけば、慮外なことを」
「ふ、ふざけるな。もう、堪忍ならねえ。さ、おれと来い」
「どこへです」
「おれの女房だ。だまって、おれについて来りゃあいいんだ」
三蔵は、かの女の腕くびをとらえて、脅しつけた。
「もん句は、あとでいえ。きょうは、離さねえぞ」