Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
一町人の経営といえども、そんな甘やかされた生涯があるものではありません」
「そうか。そちの眼にも、信長の面がそう見えたか。馬腹、一鞭当てねばならんな。――藤吉郎、身仕度せい」
「えッ、身仕度して?」
「岐阜へ帰るのだ」
自分の考えは、信長を超えていると、密かに誇っていると、信長の思慮はまた、自分の思慮の先へ出てくる。
急遽、岐阜の本城へ帰る必要はある。いろいろな意味で、それは急を要する。
(――が、どう帰るか?)
その方法を疑っていたが、信長は、空想家であるかと思うと、強力な意志の実行家でもある。
その晩のうちに、藤吉郎その他、わずか三百にも足らぬ小勢をひきつれ、夜どおしかけて京都から脱出してしまった。
疾風の迅さだ。そんな迅速な行動すら、もう誰からともなく洩れていた。
一行が、大津越えにかかる頃である。まだ短夜も明けない逢坂山の木立の上に、鉄砲を構えて、信長のすがたを待っている怪僧があった。
不意に、駒が狂い出した。
暁闇をつんざいて、鉄砲の音がどこかで響いたのである。
「――あッ?」
駈けつづく家臣達は、すぐ信長の身を気遣った。同時に、眼を四方に馳せて、