Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
「……では、重態だな」
「いえいえ、落着いて、薬を召しあがられると、竹中殿には、いつものように、すずやかなお気色で、血を吐くことは今日のみではないと……微笑しながらお医師に答えておいででした」
「その我慢がむりになるのだ。……そうか、血を吐くのは毎度といったか。平常、わしにはかくしていたとみえる」
「わたくしどもへ向って、幾度となく、御主君は、御主君は……と、頻りに気をつかっておられる様子なので、はや先へお立ちと申して、むりに押しなだめて戻りましたが」
「誰か、看護にのこしおかねば、あの気性、じっと、寝てはおるまい。――又十郎」
と、彦右衛門の甥、蜂須賀又十郎をふりむいて、
「おぬし、茂助と共に、あとに残って、半兵衛の枕元に附添っておれ。――帰り途、丹羽殿にも会うて、よく頼んでおこう程に、充分、身を養って、恢復いたすまでは、横山城へ帰っては相成らんと、藤吉郎がかたくいうたと半兵衛に申しつたえよ。よいか」
「かしこまりました」
「立とう」
彼の前に、馬が曳かれ、床几が畳まれた時である。
材木をかついだ人夫の群れが、そこから少し彼方を通っていた。みな造船の用材らしく、巨材の後先に縄をかけて、肩もめいりこむばかり四天に吊って行くのだった。