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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだ……」

と、龍興は何か天来の妙策でも思いついたか、重臣たちの愚をわらうように、急に元気づいて云った。

「栗原山へ使者をやったか。半兵衛を呼べ。……何。なぜ早く迎えをやらぬか。この期に、怠慢な、――すぐ遣れ、直ぐに」

重臣たちは、すぐ答えた。

「いや、仰せを待つまでもなく、栗原山の竹中氏へは、事態の急をつぶさに告げて、数日前から、度々、下山あるようにと、催促の使者を出しておりますが」

「動かぬのか」

と、龍興は急きこむ。

そして、不平そうに、

「なぜじゃ。なぜ半兵衛は、すぐにも菩提山の手勢をひいて、駈けつけぬのじゃろう。……彼は、忠臣のはずなのに」

と、つぶやいた。

忠臣という者は、ふだんは真っ直ぐなことばかりいって、苦々しげな顔のみ見せておもしろくないが、一朝有事の時には、どう退けられていても、誰より真っ先に駈けつけるのが当然なものと、龍興はのみこんでいるふうだった。

すでにその半兵衛重治は、一度主君をこの城から追うほどな手酷しい諫言……ではなく実行をもって、龍興を懲らしめている。そして龍興を迎えて、城を返すと共に、

(こんな城が恃むに足りないことはお分りでしょう)