Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
わけて織田軍のみじめだったのは、武器の差であった。国富の程度がまるでちがう彼には、鉄砲という新鋭な武器がかなり蓄えてあった。織田方にはない鉄砲組というものが、すでに斎藤家には組織されていて、城下へ寄手を寄せつけては、山腹から狙い撃ちにした。
早くから美濃の鉄砲組が発達していたのは、遠い以前に斎藤家を牢人してしまったが、ここに明智十兵衛光秀なる篤学な一青年がいて、かつて、鉄砲の研究に没頭し、その基礎を遺して行った貢献なのである。
それはともかく、織田軍は、連日の炎暑と苦戦に、ようやく疲れだしてきた。――もしもこの際、斎藤家と近江なり伊勢なりと連絡をとって、背後を襲う者があらわれたら、一万の屍は、ふたたび故郷を見ることはできなかった。
何よりも不気味なのは、ちょうど寄手の総軍を後ろから見ている形に、屹然と、夏の雲を負って聳えている栗原山から南宮山――また、菩提山などの動きだった。
「いや、その方面は、御懸念には及びません」
時折、本陣へ見える木下藤吉郎は、自信をもって、しきりというが、信長は不安だった。
「遠巻きの戦法も不策、短気にかかって兵を損じるのも不策。