Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

ここにも。

そうした母胎の人がひとり老いていた。

藤吉郎の生みの母だ。

彼女は、ことしもう五十一歳にもなる。今は、嫁の寧子といっしょに清洲の侍小路の邸で静かに老いを養っている身であるが、つい二、三年前まで中村にいて百姓をしていたので、土に荒れた手はまだ指の節も太く、藤吉郎をかしらに四人の子を生んだので、歯はだいぶ抜けて来たが、髪などはそう白い程でもない。

陣中の藤吉郎から、手紙が来れば、それにはきっと、

腰のお痛みはいかがですか。灸治をお続けになっていますか。母上には、以前のお暮しのくせがおありで、喰べ物というと、何を上げても「勿体ない勿体ない」がお口ぐせで、いっこう御自身の栄養にはお考え遊ばされぬので、それが遠くにいても心配です。どうか寧子にいいつけて、朝暮魚鳥などもお摂りください。そして長生きしてください。

藤吉郎の今のお願いはそれ一つです。なにせい私は鈍物なれば、母上が長生きして下さらねば、自分の思っているような御孝養をいたしたいにも、間に合わないようなことになりはしないかと案じられるのでございます。

幸いにわたくしは、陣中も病気知らずで、武運にも毎度めぐまれ、殿さまのお覚えもまずよい方ですから、息子のことはさらさら御懸ねんなく、ひたすら御自身の御養生と、日々のおたのしみをもっぱらお努めあります