Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

――ああそれからお母あ様、こんな所で申しては恐れ入りますが、つい今し方、洲股から御書面が参りました」

「ほ、あの子から?」

「ええ。……けれど今日は、母上様へのお宛名はなく、わたくしへだけ参りました」

「どちらでもいい。……して、相変らず、無事か。ここ久しゅう便りがなかったのは、美濃よりお引き揚げのためであったの」

「左様でござりまする。ついては、この度はもう一城の主とゆるされ、領地も五万石ほどはあり、なお馬印まで御主君より賜わったからには、もう母上様をお側に迎えてもよいように考えるから、そなたからおすすめして、是非、近日中に洲股城へお移り遊ばすように……。そう細々と、わたくしへお申しつけのお手紙でございまする」

「ほ。……それはめでたい。あの子のどこが殿様のお気に召してやら、夢のような出世ではあるが、図にのって、踏み外してくれねばよいが」

子の吉事を聞けば聞くで、その吉事の儚く終らぬように、親心はまた、それを案じるのであった。

睦まじく畑に並んだ老母と嫁の手に、がれた茄子は、七ツ、十、二十といつか籠を瑠璃色に埋めた。

「お母あ様。お腰が痛うございましょうに」