Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
灯をともす。
そして夕餉の膳。
姑と嫁とのほかに、藤吉郎の分も朝夕、必ず陰膳として、床の前にすえて喰べる。
「お腰でも揉みましょうか」
時折、神経痛を病むのが、老母の持病であった。秋ぐちの夜風にふれると、痛みを訴えることが多かった。
寧子に脚をさすってもらいながら、老母はすやすや寝入ったかと思われたが、その間、考えぬいていたのであろう。やがて起き直って、寧子へいった。
「のう嫁御。そなたもさだめし、あの子の側で暮したかろうに、わしのみ我儘いうてゆるしてたも。――明日でもよい、洲股へ返書を出して下され。母も洲股へ引き移りたい程に、迎えの衆を、急いでよこして貰いたいと」
待ちかねていた妻からの返書が届くとすぐ、藤吉郎は、蜂須賀彦右衛門、堀尾茂助、他三十名ほどの家中を、
――母上お迎え役
として駕籠や馬など持たせ、即日、清洲へ遣わした。
「明日は、母をこの城へ」
母の居間はどこが良いか、どうしたら母が楽しむだろうか。――
彼は子供のように待った。
すると、その清掃された城門へ、母の駕籠より一日早く、思いもうけぬ珍客が訪れた。
客は、粗服に眉深な笠をかぶり、従者も二人ほどしか連れていない。