Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

と、追い払った。

藤吉郎は、手をあげて、

「アア、これこれ叱るな。子ども達は、見馴れぬわれらを見て、はしゃいでおるのだ。遊ばしておけ。遊ばしておけ」

と、いった。

家来に命じて、彼は、蒔絵をした塗物の器を膝へ取り寄せた。それは、駕籠の中のお慰みにと、母のために用意して来た菓子だったが、

「子ども、菓子をやる。――ここへ来い」

と、さしまねいた。

名主に叱られた腕白どもは、彼方に立ち並んだまま竦んでいたが、一人も前へは出て来なかった。

――といって皆、菓子は欲しいし、領主は恐いし、という顔していた。

「これ、一番チビの洟たれ、来いよ。恐いことはない。菓子を遣わすからこれへ来い」

指を咥えながらチビは前へ出て来た。そして藤吉郎の手から菓子をもらうと、逃げるように戻ってゆく。

順々に、藤吉郎は、一つかみずつ菓子を頒け与えた。その光景を、腕白の親どもは、土下座して、涙しながら眺めていた。

「親どもにも、何か取らそう」

一封の金子を、村の老人たちへといって、家来から名主へ下げた。近頃、乱世の時勢に、稀有な御仁慈ではあると、村長はびっくりして、村中へ触れまわった。