Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
。――ところが今初めて、貴下の主君信長にその志があるのを聞く。敵とはいえ、天下万民のためには愉快である。
弾正は、そういって、
「左様な主君の旗下に働かるる貴公は、倖せ者である。侍と生れて、まことに、働きがいのあることであろう」
と、羨んだ。
藤吉郎はすかさず、
「信長の軍門に降を乞うと思わば武士の意気地もござろう。大義につきたまえ。大義の門に駒を繋ぐはまた、士道の本分でもあるまいか」
と、口を極めて、彼の降伏をすすめた。
「考えておこう」
遂に、弾正も、そこまで云い出したので、藤吉郎は、
「御出城あらばいつにても、藤吉郎が一命にかえて、君前へのお執りなしは仕る。ゆめ、犬死を召さるな」
と、その日は帰った。
帰ると信長に、
「数日を出ないうちに、山路弾正は開城して、自身ここの陣門に駒をつなぎましょう」
と、報告した。
果たして、その通りだった。弾正は、信長を訪ねて、北畠家の安泰を乞い、城兵の助命を願い出た。
そして、自身は、
「御成敗を賜わりたい」
と、神妙に死を乞うたが、信長はゆるして、即日、高岡の城を収めた。
軍功帳の第一に、藤吉郎の勲功が記録された。
その第二筆には、新参の明智十兵衛光秀の功が記された。