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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

築城中にも、うるさく襲せ来る美濃の兵に対しても、そちは何ぞ慥とした勝算があるか」

「その儀は、お気づかいには及びませぬ。自分においても、それはさして重大には心得ておりませぬ」

「重大でないと」

「さればです」

藤吉郎は、信長の真剣な面を、微笑みで見上げて、

「佐久間様、柴田様、勘解由様と――御当家にても名だたるお方達がみな、相つづいて惨敗して退いた後でござります。――敵は勝ちに狎れて、気も驕り、慢じぬいているところへ、織田家の末輩でも、まだ微禄弱年のわたくしが四度目の将として参れば、おそらく敵は嗤うでありましょう」

「む、む!」

「やよ見よ、織田の家中でも足軽に毛の生えたようなのが来おった。いかなる城を築く気か、この度は思うがままに築かせて、出来上ったところを一挙に踏みつぶしてやれ。――こう敵は考えるやと思われます」

「いや。そちの考えどおりに来なかった時は」

「臨機応変」

「む。違いない」

「――が、殿。藤吉郎の想像は多分間違いないかと察しられます。敵に策士あれば、こちらに城を築かせておき、然る後に攻め取って、織田家が美濃入りの足がかりにせんための物を逆に――美濃が尾張を併せ呑まんず足場とするぐらいな智者は――斎藤家にもあるべきにござります」