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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

武門の運をとり逃がすな。信長の首を打って取れや」

と、剣をたたいて演舌した。

「うわあッ」

全軍は、それに応えた。

信長にどれほど智謀の士が多くとも、三万の兵が捨身で来ようと、佐々木一族の鉄壁は、必ず一ヵ月以上はそこで喰い止めるだろうと――それは彼らの信念でもあったし、また、四隣の強国の一致した観察であったのだ。

――が、和田山一帯の丘陵は、それから半日の間に、銃煙と土けむりと雄たけびの中に、陥落してしまった。

ただ見るいちめんの戦塵の中に、

「この一期」

と、ばかり和田山を中心に馳駆しているのは、ほとんど、信長の兵のみだった。二刻余りも戦うと、脆くも、山中山城守の部下は、先を争って、附近の耕地や、山や、湖畔や、八方へ敗走してしまった。

「追うなッ、追うな」

信長の声は、もう和田山の上に在った。逸はやく立てた旌旗が午近い太陽の下に鮮やかに見える。血と泥にまみれた将士は、追々に麾下へ集まった。そして、勝鬨をあげて、午の兵糧を喰った。

箕作方面から何度となく伝令が来た。丹羽、佐久間の先手となってかかった三河の松平勢は、血を浴びて勇戦しているところとある。

刻々、味方に有利な報が信長の手に集まった。