Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
が、信長は、
「身に余る恩命」
と、固辞して受けない。義昭は信長の気が知れなかった。不足かと、恐れたり邪推したりしたが、そんな気ぶりもないのである。
「余が困る」
あまり義昭が泣き言いうので、信長は、前の恩命よりずっと低い従五位下弾正忠という微官をうけた。
将軍宣下の大宴がやがて催されることになった。同月二十四日ときまる。
古例では、その日、十二番の散楽を演じることになっている。足利歴代の盛儀で、およそ文武の百官は招待に洩れることはない。華麗善美な祝典だった。
「散楽は、七番に止めておかれては如何でござる」
信長が義昭に忠告した。
義昭は、古例を知らぬ武人の言と聞いたか、
「十二番でなければならぬ。十二番のものである」
と、主張した。
「古例はそうであろうと、新例をお立てなさい。平和はまだ洛中洛外だけのこと、各地の逆徒は、一時、影を潜めておるが、掃滅され尽したのではありません。――真の泰平ぞという日が来たら、万民と共に、七日七夜、百番の舞を演じぬくもよいでしょう」
義昭は、黙って、彼の言に服した。大宴が無事に終ると、彼はまた信長にすすめた。
「副将軍か、管領か、二職のうちいずれかに就任してくれまいか」