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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

村重は、もう整然と、隊伍を作って部下へ、

「追えるだけ追いつめろッ」

と、陣刀を一揮した。

村重は、その先へ立って、淀川から伏見方面まで敵を駈けちらした。河へ墜つる者、首を授ける者、残党軍は、途々千人に近い味方の屍を捨てて行った。

正月の六日。大雪の日であった。

岐阜へ早打ちが着いた。本国寺の変や、畿内にうごく残党軍の状態が報じられたのである。

「由々しい大事」

と、信長はいった。

将軍の身も案じられたが、より以上、折角、自分のすえた一礎石が、中原から空しくなることを惧れた。

「猶予はならぬ。時移すな」

すぐ軍馬の令。常の如く、その日も、城門を駈け出したのは、信長が真っ先だった。

つづいて十騎ほど。またしばらくして二十騎、三十騎と後を追った。

雪は行くほど深い。思うままに続けない者が多かった。信長は、駒を止め、

「馬借りの者ども、いちど馬を降りよ」

と、いって、めいめいの鞍側についている兵糧やら軍用の荷物の重量を、自身で検めてまわり、重すぎるのは軽い方へ負担を分けさせ、公平に直して、

「急げッ」

と、また鞭打った。

そんな大雪というのに、翌日はもう瀬田の大橋を渡りこえ、三日の道程を、二日で都へついてしまった。