Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「曾呂利どのか。おぬしは、田舎へ逃げもせず、まだ家に残ってござったのか」
「逃げたところで詮ないことじゃ。やりかけの仕事もあるしの」
「どうなさる、この町が合戦になったら」
「縁の下にでも潜っているか。……それくらいしか考えていない。……まあ、寄って、話して行きなされ。そこの木戸は、押せば開く」
「喉が渇いた。湯なといただこうか」
道安は、十坪ばかりのそこの庭へはいって来た。
見れば、まだ若いのに、道安は跛足であった。――千宗易の長男であるから、いわゆる大家の若旦那の風はあるが、そうした体なので、依怙地できかない気性だといわれている。
けれど、新左とは、仲がよかった。新左とはなしている時には、すこしも彼のつむじ曲りは出なかった。
「ああ。くたびれた」
ぬれ縁の端へ、腰をおろすと、新左は、上がれ、上がれとすすめる。新左も、自分の年齢から見れば息子のようなこの跛足の青年を愛していた。
「どうして、きょうは、そんな落着きこんではいられない。白湯でいい。一碗くだされ」
「なにがそんなにお忙しいのじゃ。お店のほうも、この騒ぎでは、休みでおざろうに」
「当りまえなことばかり云いなさるな。