Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

はっきり光秀とは、九歳の年下を示している。

「いや、御辺などは、まだまだ……」

光秀は、羨ましげにすら、相手を見ていた。何不足ない栄達を自覚しながら、年齢だけはもう十年も若くあって欲しいなあと云いたげな顔いろである。

自分のきんか頭を云い出されたことから、客としての居心地は、たいへん気楽になって来た。光秀は、何でも云いたいことのいえる秀吉の性格にも、また羨ましさを感じないでいられなかった。

今夕、丹波へ帰国するので、ちょっとお顔を見に御門前まで立ち寄った――と、さっきもいっていたが、何ごとか、折入って胸の思いでもじッくり聞いてもらいたいような容子が、光秀には見えた。

にも関わらず光秀は、容易にそれを持ち出し得ないのである。秀吉は、折ふし出かける間際ではあり、客の容子にも観えるものを感じたので、

「――時に、惟任どの、お目にかかったのが、幸いだ、人のうわさというものは、何を云い出すやら知れたものではないが、さりとて、火のない煙と打ち捨てて措こうも、衆口金を鎔かすの惧れがある」

「なんぞ、それがしのことについて、お耳にふれた儀でも……」

「されば、親しい御辺のこと、これは書面をもっても、お告げせずばなるまいと思っていたところです。