Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
あなたは、誰かへ書いて与えた詩に、亀山城の北にある愛宕山を、周山に擬らえ、御自身を周の武王に比し、信長公を殷の紂王となしたようなことはありませぬか」
「やくたいもないことを」
光秀は手を振った。やや面を青白うして、二度までいった。
「やくたいもなや! いったい、誰がそんな悪意のある取り沙汰をば――」
光秀の吐いた声は、沈痛そのものであった。言葉というよりは長嘆に似ていた。
けれど、秀吉は、それ程な相手の深刻な表情を見ていながら、まるで鞠でも受けとるように、彼の口真似そのままにいった。
「まったく! いやまったく。――やくたいもない! やくたいもないことをば。――あはははは」
この笑い声はまた、天井を揺するばかりだった。次の間に控えていた家臣が驚いて、何事かと、襖を細目に開けてみたくらいであった。
「これ、これ」
その気配へ、秀吉は目ざとく振り顧って、
「――馬を曳いたか」
と、たずねた。
家臣がそこから、
「御用意はととのうておりまする」
と、伝える。
光秀は、急に、燭台の灯へ、面をあげた。
「おお、ついうかと、つまらぬ話にお出ましの間際を邪げ、思わず失礼を――」