Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
待ちもうけていたように、彼が旅装を解くやいな、一室に彼を囲んで、妻木主計、藤田伝五、並河掃部、四方田政孝、三宅藤兵衛、村上和泉守などの人々が、
「あとの情勢はどうか」
「御退去のあと、安土では、どんな噂が交わされておるか」
などと膝つめよせて訊ねた。
作左衛門は切歯して云った。
「過ぐる十七日の御退去以来、きょう二十五日まで、わずか八日の間だったが、明智家の禄を喰む身にとっては、針の莚に三年もすわっているような辛抱だった。――あのあと俄かにがらんとした饗応屋敷の門外を通ってゆく安土の小身どもや町の者までが声高に――これが日向殿の空屋敷か、道理で腐った魚のにおいがする、こう不首尾とけちが続いては、もうきんか頭の光もここらで萎むであろうなどと憚らぬ雑言が、耳をふさいでも、朝夕に聞えて来るしのう……」
「それほど御不評か」
「安土の膝下に生きておる輩じゃ、たれひとり信長公の処置を、無理とも悪いともいう者はない。一に殿への誹謗ばかりだ」
「上層の面々には多少ものの分った人もあろう。そういう方面のうわさはどうか」
「いや、以後の数日は、ただもう大賓の徳川殿をもてなすことで、安土城内は持ちきっている。