Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme

Aozora Bunko

血のような西陽と草いきれの中で、いんいんと、高く低く、貝の音が次々に答え合って、鳴りぬいていた。

それまでは屯々に、ただ蝟集していたに過ぎない全兵員が、忽ち草を蹴って立ち、列伍を正し、おおよそ三段にわかれて、旌旗粛然と勢揃いの態をととのえた。

能篠畑の地表は、兵と旗と馬で埋められた。一瞬、馬のいななき以外、天地は声をひそめた。四山の濃い青葉や浅いみどりは、匂うばかり戦いで、人間の肺の中まで染まるかのような青い夕風が無数の面を吹いた。

ふたたび貝が鳴った。彼方の森の中からである。程なくそこの篠村八幡の境内から光秀以下、騎馬の幕僚たちが、西陽を斜めに、燦々として騎歩しずかに、各部隊を閲しながら順次こなたへ近づいて来るのが見られた。

彼の閲兵のすむ間、将士は鉄の列そのものだった。そして各※(二の字点、1-2-22)、馬上の光秀を、目の前に仰いだ兵は、卒伍の端まで、

(よい大将を持った。よい主人の下についた)

ことを今さらのように誇りとも感じ、幸福にも思った。

光秀は白地銀襴の陣羽織に黒革の具足を纒っていた。縅しの糸は総萌黄であった。太刀も佳く、良い鞍をすえていた。