Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
ここでは、茶の「寸法」も「清寂」も措いて、客亭主、わけ隔てないくつろぎだけに、話も自然多岐にわたった。
信長はまた健啖だった。茶室でも一通り満腹したろうに、広間へ移ってからも、彼の前に供えられる木皿や高坏はみな空になってゆく。わけて紅玉を溶かしたような葡萄酒を愛飲し、時々、菓子器に盛ってある南蛮菓子を取っては食べ、かつ語るのであった。
「いちど宗室を案内とし、宗湛を供に連れて、ぜひ南を廻ってみたいものだ。宗室はさだめし幾度か巡ったことがあるのだろう」
「いや、この年にいたるまで、まだついぞ」
「ないのか」
「思いつつ行かれませぬ」
「宗湛は、若いし、健康に見ゆる。そちは行ったか」
「私もまだでございます」
「ふたりとも、まだ南を知らんのか」
「はい。持船の水夫、店の者たちは、絶えず往来しておりますが」
「さりとは商売冥利のわるい。……信長などは望んでもまだ日本を離れてよい日を得ないゆえ、ぜひもないが、お汝らは、船も持ち、出店も持ち、便も常にありながら、なぜ参らぬか」
「天下の御事とは、忙しさがちがいますが、やはり何とはなく、家事にさえぎられ、つい一年二年とは、国を離れかねまする。