Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme

Aozora Bunko

小さい掌の者は落着いて取りこぼさぬように戴くがよい。あわてて損するな。そして、少しも早く仕事に就け」

もう人夫たちは疑わなかった。彼の笑顔と冗談のなかに真実を知ったからである。前のほうにいた人夫たちの一群が銭の山へ駈け寄った。余りにある銭に竦んだようにちょっとためらったが、ひとりが先んじて一掴み取って退ると、同時に、わあっと凱歌のような歓声があがった。

たちまち、銭か人か土のかたまりか分らないような混雑が起った。しかしただひとりも誤魔化そうとする者はなかった。日頃の狡い心も不平も、このときはどこかへ投げやった人間のみになっていた。そして一つかみの酒代を持つと、さながら生れ変った人間のようになって、各※(二の字点、1-2-22)脱兎のごとく自分自分の仕事の持場へ駈け出していた。

力づよい鍬や鋤を入れるひびきが満地に起りだした。

「それッ」

とばかり土を担ぐにも、もっこへ棒を入れるにも、土俵を肩へ担うにも、気あいがはいる、精神がふるい興る。

彼らにも、出してみれば、その精神があったのである。ここからしぼり出る汗は、その者の心をいよいよ愉快にさせ爽快にさせる。