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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

だから、姿に似ず、云い出したらきかない、また、思いこんだら果さずにはおかない――といったような性格が折々に行動や言語に出た。小野の里の老人たちは「いよいよおきれいにはなったが、女らしゅうなくなった」といって、孤独な彼女をうとんじるようになった。乳母の良人が縁故をたどって、松琴尼の許へ彼女をつれて行ったのは、彼女に冷たい故郷の風からそッと温かい陽なたへ根を移そうとした育ての思いやりであったろう。

小野の里の老人のみでなく、友松もこの小娘を心から好きにはなれなかった。が、その才気には、正直、舌を巻いて、田舎におくのは惜しいとも思った。本来、居るべき所を得ないために、田舎人も彼女をうとんじ、彼女も田舎をきらうのであろう。時と所を得しめれば、この名木は、時代の文化の中に、咲き匂うかもしれない。

ふと、そう思ったのと。――また、どう諭してみても彼女が初志をひるがえさないので、とうとう或る時、約束してしまったのである。――承知した、尼にはなして、都へつれて行ってやる。そして、どこかよいお邸へ紹介の労もとろうと。

それはもう十日も前のことだった。友松は、絵のためにすっかり忘れていたのである。