Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
(於通は、どうしたやら)
それのみ、思いながら、命も欲しさに、軍にとどまっているうちに――数日前、また、勝入父子によび出され、
(この密書をもって、徳川家の森川権右衛門の城まで行って来い。返事は、わらじの緒の中へないこんで戻るがいい。もし徳川勢の者に捕まった場合とて、死しても敵に見つけられまいぞ)
と、いいつけられた。
三蔵は、いまその大役を果たして来て、犬山城へ、帰って来たところだった。
ちょうど、秀吉の帰るところで、城門の前は、兵馬で、混みあっていた。三蔵は、道ばたに、土下座して、通過を待っていた。
先駆――旗本――近習のなかに、秀吉の馬が通った。
三蔵は、あッと、驚いて、とび上がった。
その中に、於通がいた。
しかしすぐ、人ちがいか、とも疑った。似てはいたが、華やかな具足に陣羽織を着、白い馬にのって、秀吉のすぐあとから行ったものを――。
秀吉は、その日の、戦場視察を終って、夕方、楽田の本陣へ帰った。
楽田村のかれの本陣は、敵の小牧山のような高地ではない。
しかし、附近の森、耕地、小川までを、完全に利用して、方二里余にわたる塹壕や柵のうちに、布陣は、鉄壁のまもりを誇っている。