Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
やはり何か奉行衆の中に一枚、あなた様を必要とするものがあるに違いございませぬ」
「ははは。戦以外に、左様な才覚があると見らるるは、勝入、大迷惑じゃ。……ときに、幼君へのお年賀は」
「いま、おいとま申して来たところです」
「わしも退出するところじゃ。……が、よいしおである。折入って、ちと内談申したい儀があるが」
「実は、お顔を見たとたんに、それがしも、ぜひあなたに伺ってみたいことが胸に呼びおこされていましたので」
「それや双方の思いが、はからず符節を合わせたわけじゃ。……どこで語ろう」
「小書院へでも」
人なき一室に二人は坐った。火桶もないが、障子越しの春の日が程よく暖かい。
「先頃、しきりに行われた、巷の流言を、聞かれたか」
「聞きました。三介様(信雄)が殺されたと、真しやかに伝えられたことでしょう」
「それじゃて……」
と、勝入は眉をひそめ、息を大きく、
「――今年も早や何事か動乱の兆しがみゆる。相手によっては、それも大いによろしいが、火元が火元だけに、近頃の兆しは困る。忠三郎どの、おぬしは若いが、分別はこの勝入にまさると観る。何ぞ、未然によい思慮を施す智嚢はないか」